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最終更新日: 2018-12-12 00:00:00
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2018年02月15日 00:00
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高麗青磁への情熱―127―

苦心の末の成果(三)

柳根瀅
高徹・訳/馬瑞枝・画

 三人は同じ車に乗った。左側に京子、右側に千恵子、まるで両手に花の気分だった。車が着いて家に入ると、待っていたとばかりに山本が出迎えて私の手を握った。彼は千恵子にも丁寧な挨拶をした。
すぐに私と千恵子は京子の案内で食堂に入った。食卓には西洋料理、中華料理、日本料理がところ狭しと並んでいた。山本夫妻とその息子、そしてわれわれ三人は、それぞれ席に着いた。
 「柳君、食事前にまず一杯やろう。酒は血液循環にもよいし、消化にもよいからね」
「ありがとうございます。でも、私は酒がそう飲めませんので……」
「君のような豪傑が酒を飲めないとは信じがたい」
「前は少しやりました。でも今はほとんど断っています」
「断っているって? 君のように血気盛んな男が飲んでいた酒を断つとは、それは信じられんな。で、前はどれくらい飲んだのかね?」
「二五の頃は正宗(日本酒)なら一升ぐらいはなんともありませんでした」
「ふーん、どうして酒をやめたのかね?」
「理由は簡単です。母から、昔の英雄や豪傑は酒で身を滅ぼしたから、お前もまず酒をやめなさいっとね。それですぐに酒を断ちました」
「実に立派だ。さあ、冷めないうちに召しあがりたまえ。君は愛国者のうえに孝行者だな」
「いえ、私は愛国者でも親孝行でもありません。乙巳条約(一九〇五)・丁未条約(一九〇七)、それに韓日併合(一九一〇)時でもただ傍観していたし、一度もそれに反抗したこともない私が、どうして愛国者でしょう?」
ビール一杯交わしただけだったのに、この日の夜は一時間以上も話が続いた。それから、碁を何局か打ったが、すでに夜の一一時を過ぎていた。千恵子と私は挨拶をして外に出た。車が待っていた。京子が出てきて、
「お二人とも、ほんとうに幸せですこと」
帰りの車の中で千恵子が言った。
「先生。私たちが家を出る時、京子さんが、お二人ともほんとうに幸せって、そう言ったでしょ? 私も幸せになれるのかしら?」
「もちろん、なれるよ」
「幸せってどこにあるのかしら?」
「求めれば、どこにでもありますよ」
「でも、愛する人の側にいながらも愛されないのなら、どこに愛を求めればいいのかしら……」
千恵子は深い溜め息をついた。しかし私は、知らぬふりを装った。私にはやるべきことがあるのだ。
どうしても四月中旬まで窯焼きをしたいと思い、仕事の手を早めた。しかし、問題は釉薬だった。今まで使っていた釉薬では、五〇日も苦労して作り上げた作品が台なしになるからであった。

2018-02-15 6面
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