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2017年11月08日 00:00
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【映画】『アウトレイジ 最終章』(日本)
北野監督が描く裏社会 大ヒットシリーズの結末は?

裏切りと策略。非道の横行に二人は決起する。©2017「アウトレイジ 最終章」製作委員会
 ドンパチはヤクザ映画の定番だが、それがないと様にならない。ではヤクザ映画の本質とは何か? そんなことを考えさせられるのが、北野武監督の「アウトレイジ」シリーズだ。いよいよ最終作。
日本国内での暴力団抗争の果てに、韓国に渡った大友は、日韓両国の裏社会に影響力を及ぼす黒幕の張会長の世話になっていた。関西を勢力圏とする花菱会幹部の花田が韓国にやって来てトラブルを起こし、張会長の手下を殺してしまったため、張グループと花菱会は抗争寸前となる。ちょうどその頃、花菱会では会長ポストをめぐり幹部同士の暗闘がはじまっていた。一方、花田のトラブルに巻き込まれた大友は日本に戻り、過去を清算しようと考える。
監督兼主演(大友役)のビートたけし、西田敏行、白竜、金田時男らのシリーズ続投組に加え、大森南朋、ピエール瀧、岸部一徳、大杉漣、池内博之といった、日ごろテレビや映画でおなじみの俳優たちが仲間入りし、見慣れた笑顔とは程遠いこわもて顔で、「コノヤロー」「バカヤロー」を連発する。だが、どんなに場面が凄惨さを増しても、心のどこかでこれはフィクションだよね、と思ってしまうのは致し方ないだろう。
監督もそこは割り切って、ヤクザを美化することなく、東映ヤクザ映画のいわゆる実録路線風に裏切りと策略にあふれた裏社会を描きつつ、ドンパチの場面を惜しみなく披露するのである。
北野監督の本心は、たとえ単純ではあっても、任侠映画のように最後は正義が悪を倒すというストーリーの作品を作りたいのではないだろうか。そう考えるのは、途中いろいろ出入りがあっても、最後に主人公が立ち上がり、一気にドラマが終焉するという形に今作も当てはまるからである。もちろん、大友が一人正義を振りかざすわけではないが、組織内部や組織同士の離合集散、裏切りと策略の連続は、仲間を作らないではいられない人間の習性と滑稽さを浮き彫りにし、そんな人間たちをシニカルに見つめる監督の目線を感じるのだ。

もちろん、映画にあまり女優を出さないことで知られるシャイな監督ゆえ、ラストは評価の分かれる終わり方をしている。それも北野流だ。
テレビ番組ではヤクザ社会と会社組織を対比させ、「ヤクザを描いてるんだけど、拳銃と暴力をとってあの芝居を見ると実際の会社組織そのまんまなんだよ」と例えてみせ、さらに「一番当てはまるのは政治の世界」と毒舌を吐いている。
職場で、ため息をつきながら見ているのと同じような人間ドラマを、わざわざ映画を見に行って共感する? それができるのも映画の中にしっかりドンパチがあるからということか。
(紀平重成 アジア映画ウオッチャー)

公開=全国公開中。
公式HP=https://outrage-movie.jp/

2017-11-08 6面
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