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最終更新日: 2017-12-13 00:00:00
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2017年10月12日 00:00
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【映画】『星空』(台湾)
原作は台湾の人気絵本 孤独な少女と少年の交流

 長らく日本公開が待たれていた作品である。監督は「九月に降る風」「百日告別」のトム・リン。原作は台湾の人気絵本作家、幾米(ジミー・リャオ)のベストセラーだ。日本初上映となった大阪アジアン映画祭(2012年)ではチケットが発売初日に完売したというのもうなずける。関係者とファンの熱意が実を結んでの公開である。
主人公のシンメイ(シュウ・チャオ)は、美術商の仕事で家を留守がちの両親に育てられ、孤独を感じていた。そんな時、スケッチブックを抱えた転校生の少年ユージエ(リン・フイミン)にも自分と同じ空気を感じる。やがて両親はシンメイの前でも言い争いをするようになり、心のよりどころだった祖父も亡くなってしまう。居場所のなくなったシンメイはユージエを誘い、祖父が暮らしていた山小屋へと向かう。「寂しくなったら、星空を見上げてごらん」と言った祖父の言葉を思い出したのだ。
原作が絵本なのでファンタジー部分にアニメーションが使われていて、それが効果を上げている。たとえばユージエが同級生からいじめられているときは、シンメイが火を噴くドラゴンになって悪童たちを退治する。仲良く二人が歩くときは、折り紙の動物たちが一緒に周りを散歩する。現実が厳しいだけに、彼らの居場所は空想の世界にしかないということなのだろう。
後半は、このファンタジー場面がさらにパワーを発揮し、星空の舞台にふさわしい見せ場を作る。偶然だが、それが可能になったのはプロデューサーのチェン・グォフー(陳国富)が制作に加わったからだ。評論家から監督に転じた同氏は01年以降、映画制作に乗り出し、現在は中国の映画制作会社「華誼兄弟」のトップ・エグゼクティブ・プロデューサーとして活躍。中国と台湾で有望な監督を支援して10作品を作るという「H」計画の1本に同作品を推薦したことで、制作費が潤沢になり、各映画賞で視覚効果賞やノミネートを手繰り寄せた。
家族の崩壊をイメージするかのように登場する1枚欠けたジグソーパズルを、後半につなげる大事な伏線にしたトム・リン監督の脚本がまたいい。
監督も力が入ったのだろう。チャウ・シンチー監督の「ミラクル7号」で男の子役として抜擢されたシュウ・チャオ(徐嬌)を主人公に据え、幻想の中に逃げ込む13歳の少女を瑞々しく演じさせている。また相手役として新人のリン・フイミン(林暉閔)を発掘。シンメイの母親役にはシンガーソングライターで女優のレネ・リウ、シンメイたちのクラス担任役に五月天のギタリストで、同監督の「百日告別」に主演したシー・チンハン、さらにシンメイの成人後にグイ・ルンメイをそれぞれキャスティングして、見どころを多くしている。
ラストに登場するシンメイがある気配を感じて、いまにも泣きそうになる瞬間がスローモーションのように描かれる場面は感動的だ。出番は少ないが、グイ・ルンメイのファンは必見。
(紀平重成 アジア映画ウオッチャー)

公開=10月28日(土)よりK's cinemaほか全国順次公開。
公式HP=https://hoshizora-movie.com/

2017-10-12 6面
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