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最終更新日: 2017-12-13 00:00:00
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2017年09月27日 00:00
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脱北帰国者が語る 北の喜怒哀楽―旧ソ連に密入国(17)
ついに麝香を換金 手元に残ったものは…

 偶然同じバスに乗り合わせた脱北女性二人は親子だった。内モンゴル自治区のハイラルに、遠縁の親戚(朝鮮族)を訪ねた帰り道だという。食糧を貰いに行ったものの、冷たく門前払いにあってしまったということだ。今回で4回目の訪問だったので仕方ないと、肩を落としていた。
新聞を上下さかさまに持ってしまったのは、慌てていたからだという彼女らは、もし警官に見つかっていたら大変だったと胸をなでおろしていた。
家は、中朝国境にある咸鏡北道の茂山だと明かしてくれた。偶然にも私の住むK市に近かった。夫は病死し、4人の子どもを抱えているという女性は、手ぶらで帰るしかないようだった。私は別れ際、100元札を1枚差し出した。母子は腰が折れるほど、何回も頭を下げて感謝の言葉を口にした。私は「用事があって来ただけだ」と言って、シベリアまで行ったことは黙っていた。
それから私は、自分のすべきことに集中した。まず、麝香を漢方専門店に持っていき現金に換えなければならない。ところが市内を1日中歩き回っても「中医薬専門医院」と書いてある看板ばかりで、朝鮮語(ハングル)で書いた看板はなかった。
私は考えたあげく、駅前に行って新聞を買った。吉林省の朝鮮族自治州なら漢字とハングルの出版物があったが、黒龍江省なので、漢字で探すしかなかった。私が買った新聞の4面に漢方薬の宣伝が載っていた。そこに朴○○という主任を置く直売店が紹介されていた。名前からして朝鮮族だと思った私は早速、公衆電話から電話をかけた。
朴主任に率直に目的を伝えると、住所の場所まで来てくれとのことだった。私は5元出して苦力(人力車)に乗り、住所を伝えた。
ハルビンのメーンストリートは、石畳である。レーニンがソビエト連邦を立ち上げたことで、帝政ロシアの高官や資産家がハルビンに亡命してきて大都市を築き上げたのだという。中国だが、ロシアの雰囲気を感じさせる都市で、バロック式の石造建築の街並みは壮観だった。
朴主任との商談が始まった。思った通り、彼は朝鮮族だったので、意思疎通は不自由なくできた。
朴主任は麝香のハンダを電気コテではがし取り、品物をじっくり調べた。匂いを嗅ぎ、アルコールの中に少量の麝香を溶かして確認もしていた。
その結果、朴主任は「これは本物に間違いない」と言った。だが、「雲南省産ほど質がよくない。最上級とはいえない。不純物が混ざっている」と、値下げしようとしてきた。
私が提示した価格より、はるかに安い買取額だったので「それなら失礼ですが延吉市に持っていって売ります」と、その場を立ち去ろうとした。
すると朴主任は、折角だからお茶でも飲んで、落ち着いて判断してくれと言ってきた。私はその言葉に応じた。最初から適正価格で売れないことは覚悟していたが結局、5000元で手放すことにした。日本円にすると7万円ぐらいであったと思う。
麝香は7個あったので、私は3万5000元を手に入れた。日本に来て3年後、東京の漢方薬専門店で、この中国での話をしたところ、本物だとすれば安くても十数万円はするということだった。結局、半値で足元を見られたのである。
でも私は、後悔したことは少しもない。麝香のおかげでシベリアに行くことができ、一生忘れることのできないほど精神的に得るものは大きかったし、貴重な体験ができたからだ。このことは、今も誇りに思っている。
私は英範と約束したとおり、麝香3個分のお金を彼の家族に渡した。手元に残った4個分のお金は、ソ連製のオートバイ「ウラル」に変わった。購入からしばらく乗っていたが、3年後、海州に住んでいた甥に譲った。このことは、日本に住んでいる姉や甥もよく知っている。
英範に貸した10万円は、確かに倍以上になって戻ってきた。その一部は、私の留守が露見しないようにしてくれた、区域担当の保衛員に渡ったことも最後に記しておこう。
(おわり)

2017-09-27 5面
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