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2017年09月27日 00:00
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「カカオバンク」躍進 背後に中国フィンテック覇権の影

 ネット銀行「カカオバンク」旋風が巻き起こっている。口座開設7分、ATM手数料無料、海外送金手数料は従来の銀行の10分の1などから、開業初日にアプリのダウンロード23万件、10万人を超える加入者を集めた。利便性の高いカカオバンクだが、同銀行の背後には中国資本が見え隠れしている。

 インターネット銀行のカカオバンクが人気を呼んでいる。同銀行は、韓国で2番目に開業したインターネット専用銀行。サービスを開始した7月27日からわずか5日間で、新規口座開設が100万件に達し、3週間で220万口座を突破した。4月に先行して韓国初のインターネット専用銀行としてスタートした、ケイバンクの1カ月25万口座をはるかに上回った。

インターネット専用銀行は、店舗を持たないことから出入金が従来の銀行窓口ではできない。カカオバンクは、セブンイレブンのATMを使い、出入金や振り替えサービスを代行する形を取っている。ATMは、約4000台が利用可能で、利用手数料は無料。さらに、海外送金手数料は提携するシティグループに限定されるが、5000ドルまでなら5000ウォン、5000ドルを超える送金は1万ウォンと、従来の銀行の10%程度と破格だ。クレジットローンなどでも、利便性が高い商品をそろえていることから、既存の金融業界の地図を揺るがしている。実際に、他銀行も海外送金手数料を減額するなど、対抗措置をとっている。

画期的サービスをそろえ、利便性の高いカカオバンクだが、実は中国資本との関係が深い。カカオは、中国モバイルアプリ最大手テンセントから、2012年に720億ウォンの投資を受けている。テンセントはこれにより、カカオの金範洙議長に続きナンバー2の株主となった。その後、カカオは躍進し、ポータルサイト韓国大手ダウムと合併、コスダックにも上場した。その後も密接な関係は続き、テンセントの子会社であるアント・フィナンシャル社(アント)が3月、カカオに2億ドルを出資。この資金でカカオのフィンテック部門を強化し、カカオから電子マネー部門を切り離し、別会社のカカオペイを立ち上げた。

アントは、世界最大の電子マネー決済企業。アントの決済アプリ「アリペイ」は4億5000万人以上の利用者を抱えており、中国でキャッシュレス社会をいち早く実現させている。カカオトークは韓国のスマートフォン利用者の9割以上がインストールしており、カカオペイは既に1400万人に利用されている。つまり、アント社の出資は、中国と韓国の間に巨大フィンテック連合を生んだことを意味する。

一方で、こういった動きを懸念する声もある。最も憂慮されるシナリオは、吸収・合併の現実化だ。実際に、カカオが一時実績不振に陥ると、テンセントがカカオ吸収に乗り出すのではないかという見方が広まったことがある。また、個人データの流出も課題だ。個人の属性に関する情報、決済、信用情報、投資、保有する金融資産などの金融ビッグデータを、中国関連企業が握ることになる。


グローバルビジネスの現場では、政経分離が基本原則だ。また、さまざまな法規制もある。しかし、THAAD報復問題を考えたときに、その原則が簡単に覆されることも学んだはずだ。自国の金融を他国に牛耳られることは、リスクを伴う。


いずれにしろ中国のアントが世界のフィンテック覇権を握ろうとするなかで、カカオへの出資が行われたことは意識しておきたい。

2017-09-27 2面
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