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2017年08月15日 00:00
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インバウンド市場に陰り―上―
「観光立国」へ新たな布石を

 韓国を訪れる外国人観光客が大きく減っている。中国によるTHAAD配備への報復の禁韓令、韓半島情勢に対するメディアのネガティブ報道などが主な要因だ。しかし、韓国経済の大きな問題である内需の拡大、雇用の促進、地方経済活性化のために、インバウンド市場の拡大は必須。現在の観光産業の状況、これまでの取り組み、そしてこれから何が必要とされるのか取材した。

外国からの旅行者減少 サービス収支が大幅赤字に
韓国経済の抱える大きな問題は、内需の不振。外需は今年に入り好調を維持している。輸出は、昨年11月から6月まで8カ月連続で増加、なかでも半導体の好調を受けICT分野の輸出が上半期過去最高を記録、水産物も昨年5月以降、15カ月連続増加している。
一方、内需は、基幹産業の工場の海外流出もあり、低迷が続いている。特に国内消費の不振は深刻で、数年間内需を支えてきた外国人観光客の支出が激減した。 
韓国銀行は、今年上半期の韓国のサービス収支が過去最大の赤字を記録したと発表した。同銀行の「6月国際収支(暫定)」によると、今年上半期(1~6月)のサービス収支は157億4000万ドルのマイナスで、昨年同期(78億ドル)より赤字幅が2倍近く増え、半期基準では過去最大の赤字となった。これを裏付けるように、訪韓客の著しい減少もデータとして表れている。6月の訪韓観光客数は99万1802人で、前年6月の155万4413人に比べ36・2%減少した。5月に続き2カ月連続で100万人を下回った。これで今年上半期(1~6月)累計の訪韓観光客は675万2005人となり、前年同期(810万9847人)に比べ16・7%減少した。訪韓客の減少は3月から始まった。前年に比べて3月は11・2%減、4月は26・8%減、5月は34・5%減など、毎月それぞれ2ケタ減少している(韓国観光公社統計資料)。訪韓客がここまで落ち込んだのは、中東呼吸器症候群(マーズ)の騒動以来。今回の落ち込みに対して関係者は「観光産業はL字型減少に突入し、低迷が長期化するかもしれない」と懸念をにじませている。
訪韓客が落ち込んだ大きな要因として、中国人観光客の減少がある。

中国人観光客4割減 THAAD報復措置響く

 THAAD配備への報復から今年3月に中国政府が「禁韓令」を発令、中国人観光客が急減した。もともと、ここ数年の観光産業は中国からの訪韓客に依存する傾向にあった。2015年に訪韓した外国人観光客は、中国からの旅行者が全体の約47%を占めていた。禁韓令の対象となった団体旅行の割合が47・4%と高く、今年上半期に訪れた中国人観光客は昨年同期よりも41%減った。さらに4月には北韓によるミサイル問題が発生、韓半島情勢に関する否定的な報道を受けて4月以降は日本人、欧米からの観光客も減少するなど、二重の問題が生じた。
年末まで訪韓客の低迷が続く場合、15年時に比べて、インバウンド市場は最大5分の1に萎縮し、07年の韓国人出国者数(1332万人)が外国人入国者数(645万人)の2倍を上回る事態の再現が懸念される。
韓国のインバウンド市場はアジア諸国のなかで弱い。昨年の訪韓客は過去初めて1700万人を超えたが、国内総生産(GDP)でみると、韓国の観光産業の比率は5・1%程度。タイ(20・8%)、香港(19・5%)、中国・日本(各7・9%)と比べ低い割合だ。中国で韓流がブームとなったことから中国人観光客が増加し、観光収入を支えたが、一国への過度な依存が今回の結果を招いたといえる。

(中へ続く)

 

2017-08-15 16面
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