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最終更新日: 2017-10-18 00:00:00
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2017年07月20日 00:00
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高麗青磁への情熱―104―

青磁研究の成功(三)

柳根瀅
高徹・訳/馬瑞枝・画

 彼が先に立って歩いた。松林を通り過ぎて、田圃の片隅に行くと、そこで草とり鎌を使って土を掘り始めた。
「ここの土は良い土なんですが、あまりにも大事にしすぎてかえって手を出せないんです。でも、柳さんは研究と思ってやるのだから、この土で一度試してみてください」
土は薄紫色で、柔らかかった。それに砂も混じっていなかった。私はそれをそのまま水に入れて捏ね、壺を二つ作ってみた。以前、楊口の方山から持ってきた土が白くてきれいだったので、それで象嵌を入れたところ失敗した。それでは、と今度は黄海道松禾から持ってきた白土と鎮南浦チンジ洞から持ってきた赤土、この二種の土で象嵌を入れてみた。また釉薬は柏の木の燃えかすで作って塗った。
今度の器は歪んだり、ボコボコ浮き上がったりしないできれいに出来上がった。しかし色が一定ではなかった。片方は青味がかっているが、もう片方は黒く黄色い光を放った。なんとしても色が一定にならなくてはならないのに、さまざまな色に変わってしまうのだ。まったく頭の痛い思いであった。ましてや今度は象嵌もうまくいったというのに、青色が一定しないのである。
私は色が整わない原因を探るために、再び焼いてみた。しかし色だけは以前と変わりなかった。なぜこんなに変色するのか、あれこれと考えあぐねているとき、ちょうど浅川伯教氏(一八八四~一九六四。朝鮮古陶磁研究者)がやって来た。
「浅川さん、ようこそいらっしゃいました」
「柳さん、こんなところにまで来てたのかね」
浅川さんは考古学者で画家だった。彼は総督府の顧問官でありながら、暇さえあれば地方の工場を訪れ、そこで作られる器を描くのが趣味だった。
彼に最初に会ったのは、黄海道チョバクコルであった。その次は黄海道館亭里、そして楊口方山であった。今回会うのが四度目である。
「柳さん、どうかね。こちらへ来て成果が上がりましたか?」
「素人が陶磁器を研究するんですから大変ですよ」
「それでもずいぶん苦労して研究をされているのだから、ここではずいぶんはかどりましたでしょう。さあ、ちょっと見せてもらえますか」
「お見せはしますが、まだまだうまくいきません。どうぞごらんください」
浅川さんは器を受け取ると、じっと眺めていた。
「実によくできているじゃないか。この青はほんとうに素晴らしい」
「そんなあばた面みたいになってしまったのを賞めてくださるなんて、少し大げさじゃありませんか」
「いやいや。大げさでなくほんとうに素晴らしいよ。ただもう少し、土さえ研究すれば……。色はこれ以上よくはならんよ。ところで、青磁の方はうまくいっているかね?」

2017-07-20 6面
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