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2017年07月12日 22:31
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高麗青磁への情熱―103―

青磁研究の成功(二)

柳根瀅
高徹・訳/馬瑞枝・画

 「そんなことはありません。人間、信用第一です。裏切りなどできるわけがありません」
「それなら、やってみたまえ。でも、苦労のわりに給料の少ないのが心配だ」
「その心配はいりません。私は金もうけが望みではありません。食べることさえできれば、力いっぱい働いて、暇なときに自分のことをします」
「それでも、使用人の仕事はきつい。その仕事をして、それから研究をやるというんだから……しかたない。どうしてもと言うなら一度やってみたまえ」
ともかく食べることが解決したので、安心だった。私は毎日工場の仕事を終えてから時間を作っては、自分の研究を続けた。何か所かで釉薬作りの経験を積んだので、先ずここでやるとおりに窯で焼いてみたが、できたのは黒っぽい磁器だった。
「それ見ろ。磁器を作るやり方でやるから、やっぱり磁器しかできないだろう」
趙徳秀氏の言葉だ。私は胸が詰まり、頭が混乱してきた。
「磁器のやり方で作ればいつも磁器しかできない。他の土を探して作ってごらん。あとで春興が帰ってくるから、一緒に出かけて土を探してみなさい」
春興とは次男の名前だった。やがて春興が帰ってきた。われわれは山や畑を歩きまわって白土だけを二、三種類集めてきた。先ず取り急ぎ土を水に浸して捏ね、器の模様に近づけていったが、粘力がなくポロポロと崩れてしまった。今度は粘り気のある泥土を持ってきて白土と半々にして捏ねてみた。大変粘り気があってうまくいった。この土で湯器を二個作った。そして松の木を燃やして灰を作り、それをさらに水土という土に混ぜて釉薬を作った。湯器に雲と鶴を彫りつけ、そこに白と黒の象嵌を入れた。
やがて窯から出てきた湯器は本物の青磁の色ではないが、一応色はうまく現れた。だがそれは、すぐに形が崩れ、ぺちゃんこになってしまった。それでも青味を帯びた破片を何度も見つめていると、心の片隅に満足感がわいてきた。
湯器が崩れてしまった原因を調べてみると、それは土の熱度が弱かったからであった。今度は泥土を三分の一混ぜて作ってみた。すると、崩れないでしっかり立ったが、器全体がボコボコと突き出てしまった。窯から引き出した器を見ながら皆、変だなと言って首を傾げた。私はまたもや苦々しく唇をかみしめた。
「柳さん。この土もだめだね」
趙徳秀氏も渋い顔つきだった。
「また別の土を探してこないとね」
「今日は、他に仕事もないから春興を連れて行って、いい土を探してきなさい」
「はい、そうします」
そのとき、春興が口をはさんだ。
「いい土のあるところを知ってますから、行ってみましょう」

2017-07-12 6面
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