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2017年07月06日 03:50
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高麗青磁への情熱―102―

青磁研究の成功(一)

柳根瀅
高徹・訳/馬瑞枝・画

 漢陽高麗焼を辞めてから、もう五度目の冬が過ぎた。それまで古跡地や窯跡、それに土などを求めて歩いたことすべてがひとえに高麗青磁のためだったと考えると、もはや待つ必要はなかった。これからは、実際に作ってみなければならない、そんな決心が私の胸に突きあげてきた。
ソウルに一番近い場所を探していたところ、水原に磁器工場があるとの噂を聞いて駆けつけた。ひとつは趙永鎮という慶尚道の人が経営し、もうひとつは趙徳秀という京畿道の人が経営する工場である。私は趙徳秀の工場を選んだ。
「あなたがここに来た目的は何かね?」
「私がこちらに来たのは陶磁器の研究のためです」
「一体どんな陶磁器を研究するのかね?」
「高麗時代のものです」
「高麗時代? それはどんなものかね?」
「形もいろいろありますが、そのうっすらと青味がかった色彩が、ほんとうにきれいなんです。それがすなわち高麗青磁というものなのです」
「高麗青磁? 初めて聞くな。それで、どこか高麗青磁を作っているところでもあるのかね?」
「そんなところはありません」
「作っているところもないのに、それじゃどうしてそのことがわかったんだ?」
「実物は博物館で見たし、詳しいことは歴史の本で調べてわかったんです」
「で、作る自信はあるのかね?」
「ええ、もちろん」
「そうだな……それを作ろうとすれば一日、二日ではだめだし、何か月もかかるだろう」
「ですから、五年でも十年でも、努力しなくてはなりません」
「そういうことなら、金はどれくらい持ってきたのかね?」
「金はありません」
「なに、金もなしに五年も十年も、何を食べて研究をしようというんだね?」
「私のやることはあまりに漠然としているでしょう? ですから、趙徳秀氏が協力してくだされば問題は解決するんですが」
「協力って、何をどう協力すればいいんだ?」
「別に物資的に協力してほしいと言うのではありません。私をただ、使用人として使ってくださればいいのです」
「柳さんをこう見ると、家柄のいい人のようだが、あんなつらい仕事をなぜするんですか?」
「人のやる仕事なのに、同じ人間としてやれないことはないでしょう?」
「つらい仕事だけど、やりますか?」
「もちろん。やりますとも」
「やってつらいからと逃げたりしないでくださいよ。あなたを信じて使って、もし逃げられでもしたら、私どもはほんとうに困りますからね」

2017-07-05 6面
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