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最終更新日: 2017-11-22 00:00:00
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2017年06月28日 00:00
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【映画】『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』(韓国)
妻を亡くした男と、他人に見えない女の癒しのドラマ

キム・ナムギル(左)とチョン・ウヒの自然な演技が素晴らしい©2016 INVENT STONE ALL RIGHTS RESERVED
 「素晴らしい一日」や「愛してる、愛してない」など作品ごとに様々な愛の形を描いてきたイ・ユンギ監督が、今作では心に傷を抱えた男と、事故に遭い人からは見えない存在の女が奇跡的に癒しあう人間ドラマを紡ぎあげた。ファンタジーの形をとることで、外見上は見えにくい相手の深層心理に寄り添うという、もう一つ深い愛のあり方を見せてくれる。
愛する妻を事故で失い、自分を責めながら保険会社で働いているガンス(キム・ナムギル)。ある日、交通事故で意識を失い、植物状態に陥っている女性が入院する病院を仕事で訪れる。被害女性のミソ(チョン・ウヒ)が眠る病室で青い服の女性に声をかけられたガンスは、彼女が自分の姿に気づいてくれたことをなぜか喜んでいることに驚く。別の日、再び病室を訪れたガンスは、また青い服の女性を見かける。だが、大きな鏡には自分の脇に映っているはずの女性の姿はなかった。
イ・ユンギ監督には独特のスタイルがあることで知られる。たとえば原作が日本の小説だったり、それを基にした自らの脚本にこだわり、男女や親子の何気ない愛情を印象深く描いてきた。また有名な俳優を使うにしても、俳優の新しい魅力を引き出すのが上手な監督だ。「アドリブ・ナイト」ではドラマ「春のワルツ」で人気急上昇のハン・ヒョジュを、「素晴らしい一日」ではチョン・ドヨンとハ・ジョンウを、さらに「愛してる、愛してない」では人気スターのヒョンビンを、といった具合だ。
今作でも「パイレーツ」「無頼漢 渇いた罪」のキム・ナムギルと、「愛を歌う花」「哭声 コクソン」のチョン・ウヒに、内面を掘り下げる演技で、深い悲しみから誰もが共感しやすい孤独感まで引き出すことに成功した。
印象深いセリフがある。ガンスが、うっかり「盲人」という言葉を使ったとき、相手から「盲人じゃなくて、視覚障害者というのです」と注意される場面だ。同じセリフが計3回出てくる。ユーモラスな面もあるが、監督の譲れないメッセージなのだろう。視覚障害者は差別感が残る古い言葉を使って言い捨てられる存在ではなく、確かに視覚の障害はあるが、それはその人の個性であり、我々と同じ人間だという。
映画は後半、ミステリーの様相を見せ、最後に彼の心の傷の秘密と、ミソがなぜ事故に遭ったのかという謎が明らかにされる。ファンタジーの要素を入れ、秘密の解明という楽しみ方も用意するというイ・ユンギ監督ならではの初挑戦であり、サービスといえるかもしれない。
(紀平重成 アジア映画ウオッチャー)
公開=7月29日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開。
公式HP=http://www.finefilms.co.jp/oneday/

2017-06-28 6面
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