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2017年06月28日 00:00
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編集余話

 「いまだ木鶏たりえず」。横綱双葉山は、連勝が69で止まった時、親友にこう打電した。木鶏とは読んで字のごとく、木彫りのニワトリである。何事にも動じることのない、「最強の闘鶏」だと、荘子は説いている▼それから約70年。双葉山に次ぐ63連勝を記録した横綱白鵬は、尊敬する大横綱の言葉を引用し「いまだ木鶏たりえず、だな」とつぶやいた。敗戦の弁も、また受け継がれるのだ▼少々意地悪な小欄は、すでに彼の敗戦の弁がどのようなものになるかと、楽しみに近い感情を抱いている。史上最年少のプロデビュー、そのデビューから勝ち続け、ついに公式戦の連勝記録を更新してしまった藤井聡太四段である▼周囲の大人たちがかける重圧を、14歳はどう受け止めているのか。マイクを向けられるたびに発せられるのは、謙虚な言葉ばかりである。連勝が途切れた後の双葉山は、いつもと変わらぬ淡々とした様子だったというが…▼双葉山を破った安藝ノ海について記しておこう。部屋一丸となった「打倒双葉」の宿願を達成した安藝ノ海は取組後、勝利に舞い上がっているように見えたのだろう。師匠筋から「負けて騒がれる力士になれ」とたしなめられたという▼この一言のおかげか、安藝ノ海は横綱にまで昇進する。ただ、初顔合わせで破った双葉山には、その後一度も勝っていない▼藤井四段を破る棋士は、いつか出てくる。敗戦の弁とともに、その棋士がどれほどの腕前になるのか期待しよう。きっと将棋界は今よりも盛り上がるはずである。

2017-06-28 1面
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