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最終更新日: 2017-11-24 08:24:17
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2017年05月19日 20:12
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脱北帰国者が語る 北の喜怒哀楽―旧ソ連に密入国(2)
困窮の元エリートが選んだ金策手段とは

木下 公勝

 私たちの街に疎開してきた人々は、「動揺階級」であったが、金英範は例外だった。彼の父親は、かつてサハリンにあった炭鉱の有能な機械技師だった。元山に来た後も、元山機械工場の技師兼副支配人を務めた。家庭環境が比較的良好なことから、金英範は疎開民の引率を担当し、私たちの街に来たのであった。
サハリンの高等技術専門学校卒だった金英範の母は、江原道元山出身。父母ともに日本の植民地時代、軍の措置によって1940年代初めにサハリンの炭鉱町に移住させられた。そこで父は日本人の技師から機械技術を習い、戦後、その炭鉱の技師として厚遇されて豊かな生活をしていた。
ソ連のスターリンは1930年代、シベリア沿海州とサハリンの朝鮮人を、組織的に内陸のウズベキスタン、キルギス、カザフスタンなどに強制移住させたが、金英範の父は除外された。なぜならば金英範の父は炭鉱唯一の機械技師であったためだ。
母は、英範が9歳の時に病死した。1年後、父はロシア人女性と結婚し、息子1人、娘1人を授かった。金日成は58年頃、在日朝鮮人の帰国を呼びかけると同時に、ソ連、中国在住の朝鮮人にも帰国を求めた。金英範の父は死んでも祖国に行くと言って帰国。元山に配置された。
サハリンで結婚したロシア人の妻は、朝鮮には行きたくないと反対した。二人は別れ、父は英範と娘の英子を連れて帰国した。その後、英範は平壌外国語大学ロシア語担当教諭となり、英子は平壌音楽大学でチェロを学んだ。
帰国直後は元山の機械工場で働いていた金英範にとって、外国語大学の教諭になったのは大抜擢だった。しかし、彼は大学で問題を起こしてしまった。同じ大学のドイツ語担当教諭と恋仲になってしまったのだ。
女性教諭は家庭のある人だったので、大学内で批判対象となり、2人同時に免職されてしまった。大学という教育機関での不倫騒動だったこともあり、容赦はなかった。金英範は再び元山機械工場の社会主義青年同盟の委員長に任命された。そのわずか3カ月後、60年1月に「プエブロ号」事件が起こった。家庭背景や育ちは良好であったが、不倫問題のため、彼は「不穏分子」とともに疎開させられた。英範の父は、疎開の3年前に心臓麻痺で亡くなっていたという。
彼は大学教論時代、元山病院にいた妻と結婚していた。彼は私たちの街に来てからは、炭鉱付近の耐火レンガ工場の機械修理工として働いていたが、生活は日々苦しくなっていった。持参した金はなくなり、家財まで売って一日三度の食事を何とか用意していた。
苦労の中で考えついたのがソ連の原木伐採工としてシベリアへ行き、生活を立て直すことだった。その頃北の住民は、シベリアに伐採作業に行くことが最大の願望であった。しかし、金英範のように海外に縁故のある者は絶対に採用されなかった。逃亡する恐れがあるからであり、事実そのような出来事があったからである。
不可能を可能にする唯一の手段は賄賂工作であった。しかし彼はびた一文持っていなかった。そこで彼は、私にすがりついた。私が数週間前、日本からの送金を手に入れたことを知っていたからである。
ある日、一緒に酒を酌み交わしながら「一生に一度だから自分を信じて日本円で10万円貸してくれないか? シベリアに行って3年以内に必ず倍にして返すから。頼む、私を助けてくれないか」と哀願された。彼は私より4歳上だった。
私は「どのような手段で3年以内にお金を儲けるのですか? 私には理解できないからそれは難しい話です」と断った。すると彼は「シベリアの密林の奥にはいろいろな獣がいるが、熊とか虎の皮などではなく、小さく携帯しやすい麝香という鹿のヘソが高い。漢方医や漢方薬局に持っていけば日本円で1個5万円は下らない。2個で10万円だ。君には4個渡すから、どうかもう一度よく考えてくれ」と私の両手を握って訴えてきた。(つづく)

2017-05-18 5面
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