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最終更新日: 2017-11-24 08:24:17
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2017年05月19日 19:14
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東京測地系→世界測地系 混沌の世界と韓国
朝鮮半島リスク 油断は禁物

 筆者は、「現行の世界秩序」が崩壊していくトレンドに今はあると考えている。時代は、よくわからないという「混沌(chaos)の時代」から、秩序が崩れていくという「混乱(disorder)の時代」へと、そして、ひょっとすると混乱がさらに深まり、無秩序となる「無政府状態(anarchy)の時代」にまで、悪化する危険性を孕んでいる。
こうした混沌の深まりを導く背景として、▼覇権国家間の対立の深まり▼国の枠組みそのものの変化の可能性▼ISやボコハラム、アルカイダやタリバンに象徴される過激派組織の動きなどがあると考えている。
最近になって、「現行の世界秩序の変化」を直接的にイメージさせる現象としては、▼英国内で見られるスコットランドの英国からの離脱の動きが挙げられる。これは、大航海時代の終盤に覇権を握り、第1次産業革命の勢いにも乗って現行の世界秩序の根幹を支えてきた英国そのものの弱体化につながる。英国連邦の威信が低下する中、世界の「現行の世界秩序の変化に対する不安」は急激に高まるのではないか。
その英国のEU離脱=Brexitに続いて、フランスのEU離脱=Frexitの可能性も指摘され、これらの動きは、欧州連合の崩壊の可能性に真実味を帯びさせていくようになる。その結果、EUが発行する通貨ユーロの信認低下にも繋がり、こうしたことから欧州の金融秩序が崩れ、国際金融秩序の大幅な悪化に繋がり、世界経済の大混乱が「現行の世界秩序の変化の明確なトリガーとなる」のではないかと見ている。
筆者自身はこうした視点、問題意識から、現在の最大のチェック・ポイント地域は、米国でもアジアでもなく、「欧州である」とも考えている。
一方で米国をみると、トランプ政権を支える柱の一つである国際金融筋は、前述したような国際情勢の中にあって、これ以上の国際社会の混乱を基本的には望んでいない。ただでさえ、欧州における過激派のテロ活動の活発化には手を焼いており、北朝鮮まで混乱を拡大させていくことは総合的には不利益であると考えていると思われる。
これに対して、シリアへは米国の単独軍事行為が実行された。なぜかといえば、ISなどのテロ活動が拡大する欧州の同盟国を意識したこと、さらにシリア周辺に、米国の軍事行動に直接対峙するであろう国家が地理的に存在しなかったこと、そして中東問題の根幹にあるイスラエルとの関係からすれば、国防省筋が米国単独軍事行為に出たことを、国際金融筋もいったん容認したものと思う。
しかし、北朝鮮に対しては、北朝鮮自身の表面的に見える侵略行為やテロ行為は顕在化しておらず、こうした中にあっての軍事行動は、国際社会において大義名分が立てにくい。北朝鮮周辺には一時的であっても混乱を嫌う中国本土や、態度をはっきりと示さぬロシアが隣接していること、そして、ここで強引に軍事行動に出ると、中国本土やロシアをも巻き込む形で、さらなる対立を深める危険性がある。
何よりも欧州が不安定な中、混沌を拡大するような現実を生み出すであろう北朝鮮に対する戦線拡大を、自ら仕掛けていくことは不合理であり、リスクが高すぎると国際金融筋は見ていると思う。そこで彼らの言う、北朝鮮対応のシナリオのトップに出てきているものは「現状維持」である。この現状維持の意味するところは、▼南北朝鮮の存続▼朝鮮半島の現行の秩序維持▼金正恩政権の存続である。
トランプ政権を支える柱のもう一つの大きな勢力である国防省筋、特に制服組は、北朝鮮、そしてその背後に見え隠れする中国本土やロシアに対しては、国際金融筋ほど寛容ではないようである。朝鮮半島リスクについて外国人株式投資家たちは、いまのところは、さほど深刻には考えていないように映る。なお、軍人はこうした状況を受け、さらにこの裏をつく危険性もあり、油断をしてはならない。
(愛知淑徳大学教授 真田幸光)

2017-05-18 2面
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