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最終更新日: 2017-12-13 00:00:00
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2017年05月12日 06:16
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東京測地系→世界測地系 韓国の経済革新
雇用創出が次期政権の重要課題に

 今回の大統領選挙でどの候補が当選しても、雇用の創出が次期政権にとって重要課題となる。とくに若年層の就職難に対しては、これまで以上の取り組みが求められる。15歳から29歳までの若年層の失業率は2012年の7・5%から16年には9・8%へ上昇し、2000年代以降では最も高くなった。
これには成長率の低下以外に、(1)大企業の求人数減少など、質の高い雇用が少なくなっていること(2)大企業との格差(賃金、福利厚生、社会的評価など)が大きいために、中小企業が雇用の受け皿になっていないこと(3)大学進学率の上昇を背景に、学生の大企業志向が強いこと、などの構造的要因が存在する。
また、製造業における雇用吸収力が弱くなっているなかで、高度専門サービス産業の発展が遅れていることも影響している。若年層の就職難が問題となる一方、中小企業では慢性的な人手不足に直面しており、三K業種を中心に、外国人労働者に依存せざるを得ない状況が続いている。
こうしてみると、若年層の就職難を緩和するためには、(1)経済の活性化を通じた質の高い雇用の創出(2)ベンチャー企業と魅力ある中小企業の育成(3)大企業と中小企業との格差是正(4)教育改革と労働市場改革などを、有機的に組み合わせながら進めていくことが必要であるといえる。
今回の大統領選挙では、文在寅候補(共に民主党)は「政府が雇用創出に責任を持つ」という考えに基づき、公共部門を中心に81万人分の雇用を創出することを、公約の一つに掲げた。これが就職難に直面している若年層から多くの支持を集めた一因であった。
ただし、雇用創出に必要な財源をどのように確保するのかは、課題として残っている。同候補は歳出の改革と歳入の増大で賄うとしているが、公約を実現させようとすれば、増税は避けられないであろう。国債の発行に依存すれば、財政の健全性を損なうことになる。
韓国の政府債務残高の対GDP比は約40%と比較的健全であるが、相次ぐ景気対策の実施や福祉関連支出の拡大などで、近年債務残高が増加しており、注意が必要である。
雇用創出に関して、安哲秀候補(国民の党)は、基本的に民間企業が担うものであり、政府の役割は人材育成や企業の研究開発を促進する環境の整備にあるとの考えを示した。
同候補はまた、若年層が中小企業に就職する場合、賃金水準(大企業対比)が現在の60%から80%になるように、政府が助成金を支給する案を盛り込んだ。格差が大きいために中小企業に人材が向かわない、それによって中小企業の技術革新が遅れるという悪循環を断つ効果が期待できる。期間を限定した差額支給であれば、財政負担も限定的となろう。
雇用創出を図る上で、新産業とベンチャー企業の育成は引き続き重要である。朴槿惠政権は創造経済の実現をめざして、創造経済革新センターを主要都市に設置した。同センター自体は次期政権下で見直される可能性はあるが、ベンチャーの育成を強化する政策は継承されていくと考えられる。
近年、京畿道城南市に設立された板橋テクノバレーにはネクソン、NCソフト、カカオなどが集積しているほか、江南地域ではインキュベーターが相次いで設立された。さらに、苦境に陥った下請け中小企業のなかに、技術力を生かして新事業に乗り出す動きがみられる。こうした事業革新の動きを広げていくことが重要である。
経済の革新を推進するためには、教育改革と労働市場改革も必要である。
教育分野では、創造力を滋養する教育への転換が求められる。労働市場では正規職と非正規職、大企業と中小企業との格差を是正し、二重構造の解消を図ることが求められる。
以上、雇用創出に関しては、さまざまな政策を組み合わせることが求められている。
(日本総合研究所上席主任研究員 向山英彦)

2017-05-11 2面
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