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2017年05月12日 06:13
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編集余話

 陶磁器の修復技法の一つに「金継ぎ」がある。割れてしまった欠片同士や、欠けた部分を漆で埋め、その接着部分を金で装飾する。茶の湯が盛んだった室町期から戦国時代の末にかけて、金継ぎを施した茶碗の名品が作られた▼千利休の高弟で、戦国武将でもあった古田織部は、わざと茶碗を割り、金継ぎで現れる美を楽しんでいたという。織部に評価された茶碗は、たとえ民家の片隅に捨ておかれていたものでも破格の扱いを受けるようになったというから、おもしろいようであり、恐ろしくもある▼時は移ろい現代。社会に入った亀裂が話題になる時代である。韓国大統領選の2日前、次期フランス大統領となったマクロン氏がまず取り組まねばならない課題の一つが、選挙によって分裂した社会を統合することだろう。米国でも、昨年の大統領選で生まれた溝は残っている▼すでに韓国でも、従来の地域間対立に加え、世代間の乖離が埋めがたいものとなっている。韓国の場合、社会の分裂を超え、暴力をともなう対立に発展する恐れもある▼金継ぎを施した名品の一つに「筒井筒」がある。秀吉が愛蔵した李朝茶碗であるが、あるとき誤って小姓が割ってしまった。あわや手打ちという危機を救ったのが、即興の狂歌で秀吉の怒りを静めた細川幽斎であった。武人としてだけでなく、歌人、茶人としても名高い人物だ▼さて、文在寅氏は韓国社会をいかにまとめていくのだろうか。その先に待つのは、韓半島の真ん中に入ったひびを継ぐという大業である。

2017-05-11 1面
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