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最終更新日: 2017-11-15 00:00:00
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2017年05月03日 00:00
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高麗青磁への情熱―94―

結婚生活(六)

柳根瀅
高徹・訳/馬瑞枝・画

 「オモニム、お元気でしたか?」
「やあ、よく来たわね」
まさ子が台所から出てきた。
「どうしてこんなに遅くなったの?」
「うん、崔君と話しこんでちょっと遅くなったよ」
「早く部屋に入って。一緒に食事しましょ」
「オモニム、食事はまだだったんですか?」
「おまえと一緒に食べようと思ってね」
母が運ぼうとする膳を、まさ子が取り上げた。
「オモニ、先にお入りになって」
まさ子が食膳を置いて出た。
「まさ子、なぜ出ていくんだ? こっちに来て一緒に食べよう」
「煮物を持ってくるわ」
まさ子は、鯖と鮸の煮物を運んできた。
「オモニ、これはオモニの大好きな鯖で、これはあなたの好きな鮸の煮物よ」
と言うと、鮸の入った皿を私の方へ差し出した。
「オモニもどうぞ」
「ええ、あなたの腕前をちょっと見ようかしら」
母が食べて味を見る。
「そうね、コチュジャンでもう少し辛くしたのがよかったわ。あたしの口には合うけれども、まさ子は辛くて食べられないのじゃなくて?」
「辛くても大丈夫ですわ」
「食べられるの?」
「はい」
「そうそう。これを食べてみて」
まさ子が鯖を私の方に差し出した。
「鯖は生臭いけれど、温かいうちに食べると、美味しいのよ。さあ、食べてごらん」
と母が鯖を切りとる。
「じゃ、食べてみるか」
生臭かったが、旨かった。
「生臭いけれど、熱いうちに食べると、ほんとうに美味しいね」
「あら、味もろくに知らないで生臭いとばかり思っていたのね」
まさ子がひと言、口を挟んだ。
「おまえは、ぼくが何か言うと必ずひと言返すんだな」
「味も知らないで、生臭い、生臭いって言うからよ」
「じゃ、おまえも一緒に食べなよ」
一家三人の仲睦まじい食事も終わった。母の表情がいつになく和んでいるように見えた。母が膳を運んでいこうとするのを、まさ子が受け取って立ちながら言った。
「オモニム、あたしが来た日くらいは、じっと座っていてください。それでなくとも、実家暮らしで心苦しいんですもの。あたしがいるのに、差しおいてオモニが動いてはいけませんわ」

2017-05-03 6面
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