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最終更新日: 2018-02-15 00:00:00
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2017年04月26日 21:04
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【映画】『草原の河』(中国)
自然の摂理である生と死から逃れられず…

©GARUDA FILM
 羊を追って暮らすチベット遊牧民一家の娘、父、祖父。移りゆく季節を通して、家族三代それぞれの心情を描いたヒューマンドラマ。
空と大地が広がるチベットの厳しい自然の中で、牧畜を営む一家。ある冬の終わり、酔っ払った男グル(グル・ツェテン)がバイクで転倒する。その瞬間、彼の頭の中にひとつの心残りがよぎる。グルの父親は、村から離れた洞窟でひとり、仏教の修行に励み、村の人々に行者さまと呼ばれて尊敬されている。そんな行者さまの具合が悪いと聞き、村人たちは行者さまを見舞っていた。だが、グルは4年前のできごとが今もわだかまりとなり、父を許せないでいる。グルの娘ヤンチェン・ラモ(ヤンチェン・ラモ)は6歳。母ルクドル(ルンゼン・ドルマ)が新しい命を授かったと知り、やがて生まれてくる赤ちゃんに母を奪われてしまうのではないかと不安が広がる。娘、その父、そして祖父。家族三代のそれぞれの心情を、河が見つめている。
監督は映画『陽に灼けた道』のソンタルジャ。今作が長編第2作目となり、日本で初のチベット人監督作品として劇場公開される。そして驚くべきは、キャスティング。ヤンチェン・ラモの母親を演じるルンゼン・ドルマは、チベットの歌手。彼女は監督の初作品『陽に灼けた道』にも、端役で友情出演しているものの、本格的な演技は今作が初めて。そして、彼女以外のキャストは演技経験のない素人を起用。娘役のヤンチェン・ラモ、父親のグル役のグル・ツェテンは監督の親戚だという。しかし、そんなことを全く感じさせない彼らの素朴でナチュラルな演技は圧巻。登場人物たちの力強いまなざしに心打たれる。
映画『草原の河』は、自然がひとつのテーマとして描かれている。それはたとえ、幼い子供であっても、自然の摂理である生と死というものから逃れることはできない。物語の中で、ヤンチェン・ラモにも生と死の関わりは訪れる。その時、彼女の心は沈み、氷のように固く閉ざされてしまう。それでも、冬の河の氷は、春になれば全てとけて、雄大な河の流れの一部となる。人の心と同じように……。
(宋 莉淑 ソン・リスク/文筆家)
公開=4月29日(土・祝)より岩波ホールにてロードショーほか全国順次公開 
公式HP=www.moviola.jp/kawa

2017-04-26 6面
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