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最終更新日: 2018-04-19 09:58:02
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2017年04月26日 21:02
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【映画】『トンネル 闇に鎖された男』(韓国)
孤独なジョンスの「痛み」分かち合う周囲の人々

ジョンス(ハ・ジョンウ)はトンネルの崩壊で生き埋め状態に陥る
車で走行中、崩落したトンネル内にひとり閉じ込められたら、人はどうするか。家族は、救助隊は? 現実に似たような事故が起きる時代だからこそ、男の救助をめぐる緊迫のドラマが胸を打つ。
閉じ込められた男をハ・ジョンウ、安否を気遣う妻をぺ・ドゥナ、救助隊長をオ・ダルスが演じる豪華版だが、実際に魅せる演技を披露した俳優はもちろん、それを導いた監督も素晴らしい。
自動車ディーラーのジョンス(ハ・ジョンウ)は、大きな契約をまとめあげたばかりで、妻(ぺ・ドゥナ)と娘の待つ家へ気持ちよく車を走らせていた。ところが、通過中のトンネルが突然崩れ落ち、生き埋めに。外部と連絡がつくまでに分かったのは、命をつなぐことができそうなものが、バッテリー残量78%の携帯電話と、水のペットボトル2本、娘のために用意した誕生日のケーキだけという厳しい現実だった。頼みの救助活動は難航し、誤算も加わり、ジョンスや妻、隊長らを追い詰めていく。
いわゆるパニック映画に属しながら、狭い空間シーンの連続でも観客を飽きさせないのは、置かれた状態をジョンスが良く理解し、「絶望しない」「家族を思いながら救助隊長を信じ、救助を待ち続ける」という姿勢を丁寧に描いているからだろう。
たとえばもう一人、犬を連れた女性が別の車に閉じ込められていて、石に挟まれて身動きできないのを見つけ、彼女の求めに応じてバッテリーの残量が残りわずかでも携帯を貸し、貴重な水を彼女と犬にまで分け与えるのは、彼の優しさでもあるが、いつか自分は助けられるという強い思いがあったことは間違いない。だが映画は、そんな彼に、さらに試練を与えていくのだが……。
脚本の上手さを感じるのは、命をつないでいくものとして冒頭にあげた三つを、うまく使っていることだ。生命維持に欠かせない水は、彼の優しさのために底をつく。バッテリーも、その優しさと時間の経過により無慈悲に消耗され、通信手段を奪われる。そしてケーキは寝ている間に犬に食べられる。それを理不尽というべきか、あるいは因果応報なのか。
作品の数少ない救いは、妻にしても、あるいは救助隊長にしても、孤独なジョンスの「痛み」を分かち合う姿をしっかりと描いている点だろう。映画にも出てくるように、現実の世界では、困難に陥っている人の状況を他人事としてみる者が多いだけに、痛みの共有は希望であり、だからこそ、この作品の価値でもあると言えるだろう。
しんどい題材なのに、随所に小さなユーモアと笑いがはさまれていて、作品に奥行きを与えている。
(紀平重成 アジア映画ウオッチャー)

公開=5月13日よりシネマート新宿ほか全国順次公開。
公式HP=http://tunnel-movie.net/

2017-04-26 6面
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