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2017年02月16日 06:07
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「悪」を描いたノワールエンタ
韓国映画「アシュラ」 金性洙監督インタビュー

 犯罪と汚職が蔓延するアンナム市。主人公の刑事は悪徳市長と裏でつながり、裏の仕事を引き受ける。刑事は市長の犬のような存在になり…。「悪」を描いた映画「アシュラ」。韓国で青少年観覧不可映画に指定されたにもかかわらず、昨年260万人の観客を動員した。来日した金性洙(キム・ソンス)監督にインタビューした。

キム・ソンス監督
 ――架空の都市が舞台。登場人物のほとんどは悪人。どういう構想か?
「私が映画を勉強したとき、フィルムノワールにはまりました。そのような映画を私なりに、現代的に解釈して撮ってみたかったのです。暗い犯罪者の社会を一つの世界として描こうと。フィルムノワールの悪役は、歓楽街や犯罪世界のヤクザやマフィアではありません。明るい世界を支える土台を作り上げた、法を執行するような人々が真の悪人だと考えました。昔のフィルムノワールの悪役たち、政治家や検事、警察など、世界中のすべてを悪が支配する状況を作ればおもしろいのではないかと思いました。だからアンナム市という仮想の都市を作りました」
 ――通常の場合、このような映画では「善と悪」の戦いが展開されるが、悪人だけしかいない。
「昔のフィルムノワールには、夜に闇の世界があり、正義を守る世界があり、『善と悪』の戦いがあります。『アシュラ』のように、その時代を支配する人々がすべて『悪』だとすれば、はたして『善』の人は存在するのか。善良な人々が悪人に正義の審判を下し、または善良な暴力を通じ悪を懲らしめるのは、映画の中のみで現実には存在せず、私は一度も見たことも聞いたこともありません。誰もが世の中で生き残るために、少しずつ悪と妥協しなければなりません。そうしてこそ生存できる世の中だと気づきました。ただし、悪の世界の悪人たちにいくら忠誠を誓おうとしても、結局は利用されて犠牲になる。その世界で成功して認められようとすればするほど、その泥沼にはまることになると考えました」
 ――カーチェイスシーンは迫力がある。
「光と闇を使うフィルムノワールが大好きで、今のデジタル時代の映画はそのような表現をしません。私はフィルムの世代です。だから、最初から最後まで光と闇を一つの画面に、光は存在するが、光源が明るすぎず闇があるような画面を作ってみたかったのです。撮影監督と照明監督がうまく具現化してくれました。それをうまく表現するために、できるだけ俳優たちには闇に合わせて動いて演技をしてもらいました。この作品は犯罪アクション映画ですが、アクションシーンは多くありません。カーアクションシーンは、それまで何を考えているかわからなかった主人公が感情を爆発させるシーンだと思いました。雨の中のカーチェイスですが、ハリウッドでは(路面が濡れては危険なので)後でCG処理するのが普通です。私たちはハリウッドよりいい映画にしようと思い、実際に雨を降らせました。大変で危険でした」
 ――チョン・ウソン氏とは、今作で4回目のタッグ。彼の魅力は。
「チョン・ウソンとファン・ジョンミンの参加で、キャスティングは順調でした。チョン・ウソンは、私にとっては俳優である以前に、映画の仕事で出会った一番親しい仲間であり友人でありパートナーであります。彼は口数の多い人ではありません。非常に重厚で、約束を守る人です。映画の準備段階でチョン・ウソンが出演を快諾してくれたおかげで、映画が撮れると思いました。今も構想中の映画がありますが、できればまた彼と一緒にやりたいです」

2017-02-15 6面
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