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最終更新日: 2017-02-25 23:40:58
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2017年02月08日 15:18
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東京測地系⇒世界測地系 トランプ政権の政策に注視
懸念される韓国でのポピュリズムの台頭

 最近、米国トランプ大統領による大統領令や言動に世界が振り回されているばかりでなく、米国ではそれをめぐる混乱が生じている。
トランプ大統領は大統領就任(1月20日)後、TPP(環太平洋経済協力協定)から離脱するための大統領令に署名したほか、NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉を開始すると表明した。またその後も、メキシコとの国境沿いに壁を築くように命じる大統領令、難民やイスラム圏の市民の入国を制限する大統領令に署名するなど、選挙公約を相次いで具体化している。
とくに入国を制限する大統領令に対しては、米国の経済界と与党共和党からも批判の声が上がっている。米国経済をリードするハイテク業界は、多くの移民や外国人技術者に支えられているのが実態である。優秀な人材を迎え入れることによって、米国ではイノベーションが生み出されるとともに、母国に戻って起業する動きが生じたことにより、母国の経済発展にもつながった。
米国内での生産と米国人の雇用を最優先する政策が米国経済に最適な結果をもたらさないこと、保護主義的な政策を続ければ、長期的にはコストの上昇やイノベーションの停滞などをもたらすことは自明である。
問題は、側近をトランプ大統領の考えに近い人たちで固めており、外部からの批判に耳を傾ける姿勢に欠けることである。このため、私たちは様々な状況を想定して、その対応を検討していかざるをえないのである。
政策がどこまで具体化されるかは不明であるが、アジア諸国に対して貿易不均衡の是正圧力が強まるのは間違いない。さらに、米国企業によるアウトソーシングの規制、H―1Bなど渡米ビザの厳格化などが実施されれば、相当な影響が出てくる。とくにインドやフィリピンにとって、影響は甚大となる。
韓国への影響として、(1)韓米FTA発効(12年3月)後に拡大している貿易不均衡に対する是正圧力が強まること(2)中国に対する経済制裁が実施されれば、韓国の対中輸出が一段と減少すること(3)メキシコに対する通商政策次第では、韓国企業によるメキシコ事業が打撃を受けることなどが考えられる。
このように当面、トランプ政権の政策を注視していく必要がある。それとともに、トランプ大統領の誕生につながったポピュリズム(大衆迎合主義)が、最近韓国でも広がりつつあることに注意したい。
朴槿惠大統領の早期退陣が現実味を帯びるなかで、国民の関心は大統領選挙に移っている。最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表は先日、公共部門で80万人強の雇用を創出すると発表した。韓国の公共部門における就業者の割合がOECD諸国の平均を下回っており、増やす余地があるというのだが、必要な財源ヘの言及はない。
この点で思い出されるのが、朴槿惠大統領が増税をしないで、高齢者に月20万ウォンの基礎年金を支給すると公約したことである。結果的に財源が確保できず、所得上位30%には支給せず、残り70%に最大20万ウォンまで支給することになった。
最近「韓国のトランプ」として注目されているのが、同じ「共に民主党」に所属する李在明(イ・ジェミョン)城南市長である。同氏は出馬表明の際に、ベーシックインカム(無条件での最低限所得保証)を導入すると表明した。
ベーシックインカム自体は検討に値するものであるが、既存の社会保障制度をどうするかを含め、実現に向けての課題は多く、すぐに実現できるものではない。また、日本政府との間の慰安婦合意や軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の撤回なども明言しており、今後の動きに注意が必要である。大統領候補者にはポピュリズムに陥ることなく、経済の再生や福祉の充実などをめぐって現実的な議論の展開を期待したい。
(日本総合研究所 上席主任研究員 向山英彦)

2017-02-08 2面
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