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最終更新日: 2017-12-13 00:00:00
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2017年01月25日 22:08
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「理想の国家」の裏側撮った
映画「太陽の下で」日本公開

 平壌に住む少女を題材にしたドキュメンタリー「太陽の下で」が21日、東京で公開初日を迎えた。ロシア出身のヴィタリー・マンスキー監督らが、8歳の少女ジンミ一家と、1年間ともに生活しながら撮影したドキュメンタリーだ。全体主義社会で何が起きているのか、そこで暮らす人々を撮りたいと考えた監督は、撮影を始めてすぐに、少女や家族、その周囲までが、当局の指示を受けて「理想的な家族」を演じていることに気づく。この”演出”までフィルムに収めようと、気づかれないようにカメラを回したままにして本作は生まれた。危険を冒して完成したドキュメンタリーは、見る者に多くの感情を抱かせる。

(c)VERTOV SIA,VERTOV REAL CINEMA OOO,HYPERMARKET FILM s.r.o.CESKA TELEVIZE,SAXONIA ENTERT
AINMENT GMBH,MITTELDEUTSCHER RUNDFUNK 2015
少女の涙の意味は

 映画は昨年4月、韓国で世界初公開された際は、累計で約3万人の観客を動員した。
作品はジンミが少年団に入り、「太陽節」(金日成の誕生日)の公演に向けて準備する過程を中心に伝えている。監督は、ジンミやその周囲の人間が、謎の男性から演技指導を受けていることに違和感を抱き、電源を落としたように装ってカメラを回し続けた。こうして撮られたテープは、スタッフがリスクを冒して外部に持ち出し、本作は完成した。ロシアの公的な劇場での上映は、北からの圧力によって中止に追い込まれた。
当局の人物と思しき男性の指導は、セリフだけでなく笑顔を作るタイミングにまで及んだ。ジャーナリストの父親は縫製工場の技術者とされ、飲食店勤務の母親は豆乳工場勤務とされた。
監督は、北に住む人々の生活を撮りたいと思って平壌に入った。すべてが国家によって演出された生活だったが、これも平壌で起きている現実だ。優れたドキュメンタリーであることは、「第40回香港国際映画祭 審査員賞受賞」「サンフランシスコ国際映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞 ノミネート」などが物語っていよう。
韓国では公開後、ジンミ一家が粛清の対象になるとの懸念が高まり、何とか救おうという動きがインターネット上で広まった。この世論に敏感に反応したのか、北は昨年5月の第7回朝鮮労働党大会で、金正恩への花束プレゼンターにジンミを抜擢した。
日本での配給を手掛けるハークの吉鶴義光社長は「政治的なものを抜きにして、ドキュメンタリーとして優れた作品。多くの人に観ていただきたい」と話す。さまざまな解釈が可能だが、印象的なのはやはりラストシーン。少女の涙が何を意味するのか、必見の一本だ。

2017-01-25 5面
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