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最終更新日: 2017-02-21 13:32:03
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2017年01月01日 01:24
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不動産対策が経済低迷に拍車
GDPは3年連続2%台見通し

 韓国経済ががけっぷちに立たされている。輸出と内需の不振に加え、家計債務の急増に歯止めがかからず、国家経済が脅かされている。韓国の2017年度国内総生産(GDP)成長率は、3年連続で2%台にとどまる見通しだ。景気刺激策として政府が進めてきた不動産市場の活性化政策が裏目に出て、家計の消費支出を圧迫しており、経済低迷に拍車をかける格好となっている。政府としては、家計債務の圧縮を加速させたいが、住宅投資を冷え込ませる恐れがあり、いまだ抜本的な改革に踏み出せないでいる。(ソウル=高正基)

来場者で混みあう住宅展示場
韓国銀行(中央銀行)が昨年11月末に発表した家計債務の累計は同9月末時点で1295兆8000億ウォン(約123兆円)にのぼり、最高額を更新した。銀行の個人向け融資残高だけを見ても10月に7兆5000億ウォン増えたことから、10月末現在の家計信用残高は1300兆ウォンをはるかに超えたと推計される。家計負債は3年前に比べて30%増えた。
問題は債務の質がよくない点にある。債務を抱えた1世帯あたりの平均債務額は8500万ウォンを上回るという数字が出ている。一方で、韓国銀行の報告書によれば、1世帯あたりの平均所得は約6000万ウォンであり、所得から債務を返済する比率は、26・6%に達している。
家計債務急増の背景には低金利の中、無理をしてでも住宅を購入しようと借金をする家庭が増えていることがあるとみられる。
政府は2014年8月、不動産取引を活性化させて消費を刺激する狙いで、住宅関連融資の大幅な規制緩和を行った。物件価値に対する融資額の上限比率(LTV)や、借り主の総負債額に対する融資額の上限比率(DTI)を大幅に引き上げた。政策金利の引き下げも重なり、効果はすぐに表れた。
融資のハードルが低くなったことで不動産市場に資金が流入。マンション需要が一気に過熱し、建設ラッシュへとつながった。住宅価格は上昇が続き、全国マンションの時価総額は昨年末ベースで前年比6・2%増え、分譲マンション価格は8・0%跳ね上がった。韓国経済の屋台骨である輸出が世界景気の減速で不振に陥るなかで下支えの役割を果たした。
韓国銀行関係者は「住宅ブームは、雇用と企業取引を増大させることで成長を支えたが、家計の消費支出を圧迫する結果を招いた」と指摘する。

バブル崩壊の兆しも

 韓国では日本に比べ、株式投資よりも不動産投資が盛んで、30~40代の会社員でも投資用マンションを持つケースが珍しくない。  
政府の不動産活性化策で10年10万6434戸にすぎなかった分譲物件は、14年に27万4666戸、15年には43万9295戸に増加した。昨年も約38万戸が分譲されたとされる。
問題はこれらのマンションへの入居が始まり、供給過剰が起こり得るとみられることだ。工事期間が通常3年程度であることを踏まえると、住宅市場の好況を受け建設した分譲マンションへの入居は今年から本格的に始まる。
業界によると、17年と18年に入居が始まる予定のマンションは約70万戸に達するとみられる。住宅普及率が14年にすでに103%を上回っているため、供給過剰による住宅景気の下落が予想される。
供給過剰による副作用はすぐに表れないだろうが、入居が本格化すれば売れ残り在庫が大幅に増大し、住宅価格が暴落する危険性があると専門家は指摘する。不動産バブルが金融市場の混乱を招いた07年の状況が再現される可能性があるとの指摘もきかれる。 
当時の不動産市場は分譲マンションに数千万ウォンのプレミアが付き、飛ぶように売れた。しかし、08年の金融危機で住宅価格は暴落し、ハウスプア(住宅貧民)が続出するなどして社会問題となった。問題は、多くの人が融資でマイホームを購入していることだ。
韓国銀行は昨年12月に政策金利を年1・25%で据え置くことを決めたものの、米国利上げ見通しの高まりから米長期金利が上昇しており、今後断続的に利上げに踏み切ると予想されている。
韓国と米国との間で金利差が縮小し、外国人資本の流出が急激になると憂慮する声も聞こえる。
分譲市場の好況で住宅価格の上昇を見込み、購入費用の大半を融資で賄った人たちは利上げで返済が滞り、結局売りに出すことになる。そうなれば、住宅価格の暴落は一層進むことになる。家計資産の約8割を不動産が占める韓国で、住宅価格の崩れがもたらす影響は大きい。
市民団体「経済正義実践市民連合」の不動産監視チームは「すでに業界からも2~3年後に供給過剰になるとの懸念が出ていた。住宅ローンで家を購入したのに、住宅価格が下落すれば、韓国経済が危機を迎えることになる」と指摘する。
このため、韓国政府は慎重なかじ取りを余儀なくされている。住宅市場や家計を守るために、危険水域にある債務問題の悪化を食い止められないという「ジレンマ」に陥っている。

輸出不振に加え政治混乱も響く

 一方、韓国経済をけん引してきた輸出も不振にあえいでおり、昨年10月には前年同月比3・2%減になった。全体の4分の1を占める中国向けが同月まで16カ月連続で前年実績を割り込み、輸出全体の足を引っ張っている。
政府系シンクタンクの韓国開発研究院(KDI)は、17年経済成長率を2・4%と予測しているが、民間では2%達成も厳しいという悲観論が出ている。経済危機が訪れた場合、継続して抑えられてきた家計債務の雷管に火が点くとも懸念されている。
債務を抱える世帯の中で25%程度が借金を返済する能力がなかったり、破産危険世帯に分類されているという事実は、その危険性を警告するシグナルでもある。
このような難局に際し、政府の役割が求められる。日本との通貨スワップ問題の妥結、米国トランプ新政権と経済政策を協調する方案を一日も早く導き出さなければならないという指摘がある。だが、政府関係者は「一連の国政介入疑惑で政策決定の見通しが立たず、業務は停止状態」と打ち明けており、韓国経済の先行きに不透明感は募るばかりだ。

2017-01-01 9面
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