昨年1年間で日本の企業などに就職(留学・就学ビザから就職目的のビザへの資格変更申請)した留学生の数が、大きく減少していることが分かった。法務省が今月に入って発表した統計で明らかになった。全体の申請件数から見た許可率は昨年とほぼ同じことから、日本での就職を諦めて帰国した留学生が多いことを窺わせる。
 | | 企業側の説明に耳を傾ける留学生ら | 08年に就労目的の資格変更を申請した留学生は1万1789人。そのうち許可されたのは1万1040人。許可率は93・6%だった。
09年の許可率は93・7%で、前年とほぼ同じだった。ところが、資格変更の許可を受けたのは9584人。前年から1456人も減った。許可件数が前年を下回ったのは最近10年で見ると02年以来7年ぶりのことで、ほぼ毎年2桁の伸びを示していた中では異例の事態といえる。
現在大学3年生の申扶憲さんは、学業のかたわら韓国大使館でアルバイトをしている。
申さんが就職活動を始めようと思っているのは今年10月から。就職難の時代なので早めに活動を始めた方が有利と思いきや、先輩は「書類選考や面接で全部落ちるとやる気がなくなったり、勇気がなくなったりする」と助言したという。
申さんが日本の大学に通い始めた頃、先輩留学生のほぼ全員が日本で就職活動をし、日本の企業に入社した。ところが今の4年生は就職活動する人が半分、帰国する人が半分になっている。
申さんの先輩で、来春から日本企業への就職が決まっているイ・スホさんは、就職活動はとても厳しかったと振り返る。国籍と日本語能力がどうしてもネックになった。兵役があるため、大学新卒でも24、25歳になっていることも男性にとっては不利だったという。
一方、イさんは留学生側にも問題があると指摘する。
「自分が1年生のときの4年生は粘り強く就職活動をして、全員日本で就職ができたが、今の留学生は諦めるのが早い。日本の有名大学を卒業したことを自分の能力が高いからだと勘違いしており、大企業に就職できないことが不満で母国に帰ってしまうケースが多い」
中小企業まで枠を広げれば、就職は十分可能というのだ。
韓国人留学生のサポートを行っている「トンユモ」の職員キム・ミンジョンさんは、ホームページの求人欄への書き込みが少なくなってきたと話す。しかし、韓国の就職難は日本以上に深刻だ。韓国の卒業シーズンである今年2月の青年失業率は10・0%。過去最高を記録した。
そのため、最近では1年間働きながら学べる「ワーキング・ホリデー」ビザで来日する韓国人の若者が増えている。今後も両国で就職難が続けば、職を求めて韓日を行き来する韓国人青年はさらに増えるかもしれない。
(溝口恭平) |